人気商品がオークションサイトやフリマサイトに出品されており、購入を検討された経験が誰でも一度はあるのでは無いでしょうか?しかし、正規の販売ルート以外から購入する場合、リセール価格が「現時点で適正価格なのか?」、出品されている商品が「本物なのか?」というのは、素人ではなかなか判断しづらいものです。
そんな中、株式取引と同様に各商品の市場価格(株式価格)を評価して売り手と買いてを結び付けるサービスが海外で広がりを見せています。そして、ついに今年の春にスニーカーやストリートウェアと中心としたオンライン取引サービスの「StockX」の日本版がリリースされたので、実際に使ってみた感想などを記載して行きたいと思います。
「StockX」とは
StockXが従来のオークションサイトやフリマサイトと大きく異なる点は、サイト上での商品の取引実績に基づく商品価格の指標(市場価値)が示されている点。そして、取引された商品は必ず仲介するStockXが鑑定する事により、正規品であるという信頼性が従来サービスよりも高いという点である。また、従来のサービスと同様に「買い手」と「売り手」の間はStockXが仲介するため、住所や氏名などの「匿名性が確保されている」というのも嬉しいポイントである。サービス内容についてさらに詳しく知りたい方はこちらを参照ください。
StockXは「stock market of things」=「モノの株式市場」と解釈する。ニューヨーク証券取引所と同じメカニズム(仕組み)を使って、スニーカーの“株価”(市場価値)を導き出し、セラーとバイヤーはそれを参考して「売値」と「買値」を決める。こうして、StockXは転売サイトとしてのみならず、スニーカーの転売価格の指標としても機能している。また、偽物を防ぐためにオークションハウスのように商品の真贋鑑定をおこない、本物であると鑑定されたアイテムだけサイトで取り扱う。
引用元:GQJAPAN
価格評価の透明性
StockXを利用する上でもっとも利点になるのが市場価格の透明性だと思います。例えば、今回筆者が購入した「ニューバランス M1300lv 26cm」の場合、本記事掲載時点でのStockX上の取引価格は¥31,600となっており、これは過去の取引実績を元に算出されています。

一方、某オークションサイトでは、4万円〜5万円が相場となっており、市場価格の評価よりも高値で出品されている事が分かる指標となります。

一方で、StockXは、配送料や鑑定手数料、海外からの輸送による関税が別途必要となるため、一概にStockXでの購入にメリットがある訳では無いが、適正価格を把握するための指標として活用するのは非常に有効だと思います。
このように過去の取引データも公表されているので、価格評価の透明性が確保されており、信頼性の高いデータとなっています。

商品鑑定による取引の信頼性確保
StockXでの取引した商品は、全てStockXでの鑑定を経て取引の成立・発送となります。オークションやフリマで取引した商品が偽造品だった等のトラブルも聞くリセール市場において、プロの鑑定を介して商品が届くというのはかなりの安心感があると思います。
日本版がリリースされて更に便利に
これまでは、海外サイトのみのリリースであったため、英語に馴染みの無い人や海外の通販サイトでの購入経験が無い人にとっては、利用までの敷居が高いサービスとなっていました。しかし、2020年の春より日本語版のサイトがリリースされた事により、凄く利用がし易くなりました。購入方法の詳細は下記を参照ください。
StockXで実際に購入してみました。
購入方法
購入方法は、2種類の手段があります。
1つ目は、下記のように購入希望額を提示する方法です。この方法では、買い手側が指定した購入希望額での売却を売り手側が承諾した時点で取引が成立します。入札注文は一定期間設定しておけるため、価格変動を予想して入札注文を設定しておき、希望価格での入札を狙うという使い方が可能です。このあたりは、株取引の経験がある方はおなじみの取引方法かと思います。

また、売り手が指定している最安値でいますぐ商品を買うという購入方法もあります。この購入方法は、オークションやフリマでの購入方法と似ています。

但し、ここで注意が必要なのが入札価格に加えて最終的に支払い価格には以下が加算されます。
・支払い手数料
・指定配送料
・消費税
・関税
上記の内、支払い手数料と配送料は注文時の画面に費用が表示されますが、消費税と関税は商品到着まで費用がわかりません。関税については、こちらのサイトに考え方が纏められていますが、「想定よりも安く済んだ」、「想定よりかなり高額となった」場合もあり、注意が必要です。特に革製品は関税の税率が高いため、購入の際にはある程度の関税が掛かる事を見込んで、購入される事をおすすめします。
また、手数料や配送料も商品の発送元に応じて支払い額が変わるみたいなので、ある程度の価格のバッファを見込んでおく事が必要になると思います。
注文後のフロー
注文確定後は、StockXからのメールで配送ステータスを確認する事ができます。鑑定状況や配送状況が日本語で全て確認できるため、安心ですね。但し、海外からの配送の場合はある程度配送に時間が掛かる事を見込んでおく必要があると思います。(私の場合は、注文確定から到着まで2週間程度掛かりました。)

このように配送状況も日本語で確認可能です。

関税と消費税の支払い
StockXで最も気になるのが関税の金額。
参考までに私の場合は、¥42,000円のスニーカーを購入して¥2000円程度でした。もう少し高額になると想定していたので運が良かったのかもしれません。現状のオークションサイトでは¥50,000程度の平均価格なので、少し安く買えたという結果になりました。


商品の状態について
梱包の状態は良く、写真のように目立つ傷等が無い綺麗な状態で届きました。

商品には、鑑定の鑑定書と鑑定済みのタグが同梱されています。

欲しかった商品が無事に手に入って一安心です。

まとめ
StockXを使ってみた感想としては、日本版サイトのリリースにより日本語化された手順の説明が参照できるようになり、他のオークションのサービスなどと同じような感覚で使用する事が出来ました。転売自体についての是非は様々な意見があると思いますが、各商品の価値が市場で正当評価されて取引される事は悪い事ではないと思います。適正価格以上の取引は転売を助長する事にも繋がるので、こういったサービスが日本でももっとスタンダードになれば良いなと思います。
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